女性は、男性よりも自宅で仕事をしたいと考える傾向があります。また、ストレスや憂鬱感、労働時間の長さなどの問題を抱えて、特に子供がいる場合にはその傾向が強くなります。
バランスの良い社会は、こうした女性の傾向を考えて作っていくべきだと思います。この記事では、女性の特徴を視野に、働き方とのバランスを解説しながら、在宅勤務をスムーズにする7つの提案を紹介していきます。
この記事を書くときに参考にしたのはこちらの記事(英語)です。
Women in the Workplace 2022Corporate America is at a crossroads. The choices companies make today will impact women in the workplace for decades to come.
自宅で仕事ができるということは、コロナの際に子供と仕事の両方が見られて、家族を持っている女性にとってはありがたいことです。けれど、この中にも気をつけなければいけないことがあります。それは、男性と同じように仕事をしていますが、子供や両親の主な介護者として、家事の量やケアの作業はかなり高くなっています。
その結果、女性は男性よりも疲れやすいと感じ、そのことが在宅勤務の経験に悪影響を与えていると考えられます。マッキンゼーの調査によると、コロナの際に在宅勤務が良いとと答えた男性は79%であるのに対し、女性は37%にとどまっています。
さらに、女性の4人に1人、母親の3人に1人が、キャリアの縮小や仕事からの完全撤退を考えていると答えました。調査の責任者クリブコビッチは、「彼女たちは、仕事を続けながら家事をこなすことができなかったのです」と語っています。
実際、女性の離職率は男性よりもはるかに高く、復帰したときのキャリアや収入力に影響を与える可能性があります。在宅勤務の増加に伴い、コロナの影響が収まった後も、こうした問題が続くのではないかと懸念する人もいます。
女性のキャリアの問題
教育や労働力の参加が大幅に進んでいるにもかかわらず、介護や家事は依然として女性の仕事だと考えられています。このメッセージは、文化的規範と経済構造の組み合わせによってさらに強化されています。
アメリカの労働文化の多くは、1950年代の「伝統的」な理想に基づいています。それは、男性は外で働き、女性は家で子供を育てる理念です。しかし、アメリカの歴史上、多くの労働者階級や有色人種の家族にとって、決して現実的ではありませんでした。今日では、中流階級の家庭であっても、両親がともに働くことが経済的に必要となっています。
ですが、家事労働の負担は、夫婦間で平等に分担されているわけではありません。
セントルイスにあるワシントン大学の社会学助教授、ケイトリン・コリンズは、1900年代半ば以降の女性の社会進出について、「私たちが目にするのは、有償労働に就くことで女性の行動が劇的に変化したことで、男性が家事労働への参加には、同じような劇的な変化は見られませんでした」。
女性の社会的地位については、時代遅れの考えが根強く残っています。女性は家事や育児に責任を負わされやすく、男性は仕事を優先させられます-男女ともに働いているにもかかわらず、です。
2020年の6月から8月にかけてこの問題を調査したマッキンゼーによると、共働きの夫婦の場合、母親は父親の2倍、1日5時間余分に家事をすることになっています。イェール大学の研究によると、両親がともに在宅で働いているケースでも、女性の方がより多くの家事・育児を行っているそうです。
エマ・ザン氏(イェール大学社会学助教授)は、「多くの女性は、このような環境で育ち、このような社会的な構造を受け入れています。仕事のために家庭を犠牲にしなければならない場合、女性は男性に比べてより多くのストレスや不満を感じるかもしれませんが、家庭の世話をすることが自分の責任であると考えて我慢する女性が多いのです」
また、シニア世代でも不公平な状況があります。マッキンゼーの未発表の調査によると、トップマネジメント層の男性の3分の2はパートナーが家にいるかフルタイムで働いていないのに対し、トップマネジメント層の女性の3分の2はパートナーがフルタイムで働いているという結果が出ています。つまり、マネジメント層の女性は、配偶者からの家事援助を受ける機会が少ないのです。
男性の収入よりも低い場合、夫婦間では女性の仕事の重要性が低いと判断されやすくなります。その結果、女性は家事をこなすために、自分のキャリアを切り捨てたり、放棄したりすることになります。
柔軟な働き方
マッキンゼー社のデータによると、コロナ以前から、女性は在宅勤務を切望していました。その理由は、家庭内の仕事を行うことができることや、男性に有利なオフィス中心のモデルを回避することがあります。




こうした働きのシフトは在宅勤務はコロナの前から存在していました。
ペンシルバニア大学の社会学教授であるジェリー・ジェイコブス氏は、「女性が家事や育児に大きな責任を負っていると感じているなら、在宅勤務は生活をより柔軟にしてくれる」と述べています。
実は、オフィス環境が女性を受け入れる環境ではなかったことも忘れてはなりません。長時間労働や、パートナーが家事をしている間に上司と親しくなることを良しとする社風があったからだと思われます。この構造は、女性ではなく男性が有利なのです。
多くの女性は、オフィスでの会話から取り残されたり、卑下されたり、自分の居場所がないように感じさせられたりしていました。またアメリカでは、上級職の女性、特に黒人女性は、人種と性別から見て、オフィスの中には一人しかいないことが多く、その結果、もっと働かなければならないというプレッシャーや他人事のような感覚に陥ることがよくあります。
ですから、在宅勤務が進んでいる今、このチャンスを掴んでもっとバランスのいいワークライフバランスを作っていけると思います。もしあなたが在宅勤務をして、悩むことがあれば以下の提案ですっきりしていただけると思います。
在宅勤務をスムーズにする7つの提案
自分のことを優先する
女性は、家族を第一に考える傾向があります。しかし、仕事と両立したいと思ったとき、一番優先しなければいけないのは家族ではなく、仕事でもなく、その軸にあるあなたなのです。
確かに仕事の時間は減らして家族と触れ合う時間が増えてきたかもしれませんが、ずっと「働いている」状況では疲れ切ってしまいます。
体の許容範囲を超えて無理して働かないこと。心が「もういいよ」と言ったら、それに耳を傾け、オフィス空間から離れること、自分の体調と相談して毎日のスケジュールを変えてください。




仕事中では、目に過度の負担がかからないように、30〜40分ごとにパソコン画面から目を離して、筋肉を柔らかくするために、適度な運動をしてください。また、水をたくさん飲んで、体のメンテナンスを忘れないでくださいね。
細かいスケジュールを立て、優先順位を再編成する
特に自宅で仕事をしている場合は、自分の仕事が当たり前のように思われていることが多くて、仕事と家庭での責任との間で常に悩んでいるのです。そのため、1日の終わりには心身ともに完全に疲れきってしまいます。
これを防ぐには、次のような方法があります。
1日の計画を立てる際には、すべてのタスクを細かくスケジュール化します。
仕事の時間、夫がいない時間帯、子供をケアする時間など。生産性の高い時間を観察し、なるべくそれを大切なタスクにあてます。まとめられるタスクー例えば食料のショッピングは週末にすることです。
自分の体調やその人の様子をみて、優先順位を変えてパートナーと相談しながら毎日を意識して進んでください。
自宅の「オフィス」コーナーを作る
家にいると、どうしても気が散ってしまいがちです。では、どうすればいいのでしょうか?その方法は、自宅にオフィスコーナーを作ることです。
ノートパソコンを勉強机の上に置き、机の上の必需品を手元に置き、書類やファイルを積み上げ、騒音が少なく、光が差し込む場所を選びましょう。そして、その空間は仕事のための空間と決めて、外に持ち出さないようにしましょう(仕事の電話も含む)
イライラしたときは、瞑想やストレッチをして、心を落ち着かせてから再スタートできる仕事中心の環境が望ましいです。
仕事のプレッシャーを減らすために、家事代行サービスを利用する
すべてを一人で成し遂げたいという願望はあるかもしれませんが、スーパーウーマン出ない限り、体力は尽きます。
そのために、家事代行サービスや最近のテクノロジーを使いこなして、プレッシャーを減らしましょう。お金はかかるかもしれませんが、あなたの健康や家族の幸せより大切なものはありません。
常にお金が入ってくることに意識すれば、経済的にもうまく回していけるでしょう。
仕事のスケジュールを家族(特に子供)に伝える
子供の教育や世話をするのは大切ですが、気を散らしてしまうと仕事も家事もうまくこなすことができなくてストレスが溜まってしまいます。そのために、仕事の時間を決めて家族に相談することが大切です。
子供たちが一人でもできるゲームや遊びを考えたり、他の家族メンバーも自力でできることを仕事の時にしてもらいます。そして、仕事の後は家族のことに集中してもよいでしょう。
忙しい時はメモや携帯を活用して、家族とコミュニケーションを取ることもできるので、仕事の環境はみんなと協力して作っていきましょう。
ストレスを解消する方法を決めて実行する
ストレスを解消する方法は、人によってさまざまです。料理が好きな人は、クッキーやケーキを作ってみましょう。動くのが好きなら、ダンスをしたり外へ出かけたりして、気分転換してください。
また、マッサージをすると落ち着くなら、週末にスパに行ったりするのもいいです。
こうして自分を優先にリラックスしてから、家族と定期的にどこかに出かけたりするのは理想的なワークライフバランスを作る秘密です。
キッチンタイムを決める
キッチンでの仕事は、ほとんど女性がこなしています。料理するのは時間とエネルギーがかかるので、キッチンタイムを決めないと、ストレスを感じてしまうでしょう。
仕事と家族の時間、または料理の時間を決めるのは、生産性を高めるのに役立ちます。
前日に食事の計画を立て、調理が簡単で道具が少ないレシピを試してみることです。そして定期的に外で食事をして、リラックスできる時間を作ってください。
まとめ
この記事をまとめたのは、私自身の体験があります。
卒業後初めて仕事をしたとき、オフィスや組織に合わないことでずっと悩んでいました。
その後は家でもできる仕事を探して少しずつ個人事業をはじめたのです。もちろん、自分の事業をスタートしたり、組織外で仕事をするのはラーニングカーブがあり、最初はなかなか難しいですが、自分の体調や望みに合わせてライフスタイルを変えることは、今後の幸せにつながると信じています。
2020年のコロナで、第四次産業は加速しています。仕事は少しずつ変わっていく中で、どのようにしたら経済的な潤いを得つつ本当に楽しい人生を送ることができるかは、女性だけではなく、家族の単位で考えるべきことだと思います。




この記事から少しヒントや勇気をもらえたら嬉しいです。